もし、あなたが遺言を書かずに亡くなってしまったら・・・

もし、あなたが遺言を書かずに亡くなってしまったら・・・
遺言を書くかどうかについてお悩みでしょうか?それでしたら、もしあなたが遺言を書かずに亡くなってしまった場合を少しだけ考えてみましょう。
残された家族は深い悲しみに襲われますが、その悲しみに浸るまもなく通夜、葬式等の手続きに追われます。
さらに初七日、四十九日の法要を終えてようやく一息ついた所で、ふっと話題に上るのが・・・
「遺産分割協議」です。
もしかしたら、遺族があなたの財産をめぐって争う、ドラマでよく見るような「相続争い」が起きてしまうかもしれないのです。
「仲が良いから大丈夫」は当てにならない
「いやいや、ウチは皆仲良しだから大丈夫」 とおっしゃる方もいるかもしれません。
ただ、それに安心しきっていると危険です。
たとえば私立大学に通った子がいる場合に、その子だけに高額の学費が注がれ、他の子が国公立の選択を強いられてしまうようなことがあると、他の子はジクジクと不満を燻らせていたりするのです。
マイホームを建てるときに、特定の子だけに支援をしたりするのも同様です。
そのような子も、親が健在である間は不満を押さえていますが、親が亡くなった後だと歯止めがきかなくなり、遺産分割協議において遂に不満が爆発してしまうのです。
そしてその金額を追加で要求したりしますが、今度は他方が法定相続分を侵されるとして突っぱねて、以下争いに突入してしまいます。
また、そのような不満が燻っていなかったとしても、争いが起きないとは言い切れません。今は大丈夫でも、あなたが亡くなるときに子の経済状況が悪化している可能性だってあるのです。
そうなると、遺産分割協議に際し「できれば多く貰いたい」という心理が、どうしても働いてしまうのです。
お互いがそのような状況にあれば、争いは避けられないでしょう。
「財産が少ないから大丈夫」は、全くの逆
「でも、ウチにはそんなに財産はないし、争いはならないよ」という方、実は要注意です。
相続争いは『財産が少ないほうが起こりやすい』のです。
理由は単純で、『少ないものは分けにくい』からです。
例えば、相続人が子二人で、相続財産が1000万円の居宅のみだった場合、一方が居宅を相続したら他方は何も相続できません。
代償としての金額500万円を準備できない状況であったなら、どちらが相続するかの争いを避けるのは極めて難しいでしょう。
このように、財産が少ないから争わないというのは全くの逆ですので、十分注意していただきたいです。
また、争いはなくとも、遺産分割協議『それ自体』が障害になることもあるのです。
葬儀に掛かった費用を遺族が直ちに準備できない場合、早急に故人の預貯金を引き出したい場合もあるでしょう。
しかし、銀行は故人の口座を凍結してしまい、引き出しに応じなくなります。
遺言書なしで凍結を解除するためには、故人の出生からの全戸籍謄本、相続人全員の実印を押した遺産分割協議書、印鑑証明書等の提出を求められます。
これらの書面を揃えるのは大変な苦労であり、想像以上に時間もかかります。
このように、遺産分割協議に伴うトラブルは数え上げれば際限がありません。
手続きの煩雑さもさることながら、分割時における相続人の経済状況、お互いに抱く感情、介護への貢献など、多種多様の事情が入り乱れ、協議が難航するのもある意味当然といえます。
これらの争いの種をあらかじめ全て取り除くというのは、現実的には不可能です。
では、どうすれば争いを回避できるのか?
ここで、これらの争いの種は「遺産分割協議」という場で芽を出す、ということに注目してみるとどうでしょう。
協議の進み方次第で相続分が増えうるのであれば、自分の正当性を主張するために、お互いが自分の事情や過去の遺恨をぶつけ合い、感情的になって争いに発展してしまうのです。
ならば、この「遺産分割協議」をなくしてしまえばいい、種が芽を出すチャンスを失わせればいいのです。
財産が増えうる機会でもなければ、誰も過去の不満などをわざわざ相手にぶつけたりはしないはずです。
では、どうすれば遺産分割協議をさせずにすむのか・・・
その答えは『遺言』です。
あなたが遺言を書けば、遺産分割協議は不要になるのです。
そもそも法定相続分や遺産分割協議とは、遺言がなかった時の二次的な財産分割法であり、あなたが財産の贈与先を遺言で決めておけば、問題にもならない要素なのです。
それなのに遺言を書かず、相続時に遺産分割協議で揉めて家裁の調停、果ては審判まで行ってしまうケースは後を絶たないのです。
こうなるともはや親族同士の仲は修復不可能、完全に崩壊してしまいます。
本当に悲しいことです。
一筆の遺言状があれば、防げたはずの悲劇なのです。
もし、あなたが遺言を書くかどうかについてお悩みでしたら、ぜひ書いて下さい。
あなたの財産の行く先を遺族に決めさせるのではなく、あなた自身が決めて下さい。
残された家族を守るために、そして家族の将来に悩むあなた自身を助けるために、あなたの遺言が必要なのです。



